②
でも幸せの中にいると、変化にも気づきにくいものだ。
そう、わたしの根本的なものは何も変わってない。
周りが変化したところで、自分の根本的なものは何も変わらない。
それに気づくのが遅すぎた。
自分の中の自分の知らない所でついていた傷は、気づかないうちに広がってるもので…
それは高校1年生の冬だった。
夕飯がカレーだった。
食べ盛りの高校生。カレーは特に大好物。
特に何も気にせず大盛りおかわりしていたら親に注意された。
「最近食べすぎじゃない?」と。
うーん、言われてみればそうだなぁ。
決して痩せてる方ではないし、むしろ太めか……
体型なんて気にしたことなかったから、そのお母さんの言葉は凄く刺さった。
よし、ダイエットを始めてみようと決心した。
当時55kg。まぁ、普通よりかは太め。
わたしはそれがこの先の人生で一番のターニングポイントになる事を、まだ知らなかった。
ダイエットは順調だった。
意外とハマると抜け出せないタイプで…しかも頑固。
数字が目に見えて減っていくのが単に嬉しかった。
夕飯を抜くことから始まったけど、元から結構太っていたからかそれだけでもかなり落ちていった。
高校2年になる頃。当時体重は50kgほど。
わたしの学校は高2と高3の間はクラス替えがなく、高2の時のクラス分けは卒業にも関わる大事なクラス分けだ。
とてもドキドキしたけど、クラスはとても良かった。
まぁ、うるさそうなクラスではあったけどw
しかし高2のわたしは、あまり自分では変化に気づいてなかったけど、凄く高1の頃と違ったみたいだ。
まず部活が忙しかった。
部活の仕事で追われる毎日だった。
休み時間も譜面と格闘して、演奏する曲を考えたり、楽譜コピーしたり、パンフレット書いたり…
とにかく休み時間は大体席に座っていた。
だからか、物凄く静かな人だと思われていた。
高1で同じクラスだった人からは物凄く心配されたほどだ。
でも考えることが多すぎて、周りに構ってる場合でもなかった。
正直勉強も殆ど手付かず。自分のパートのこと、部活全体のこと、そして自分のこと(主に体型)、頭が常にぐるぐるしていた。
もちろんのこと、部活では結構上の立場ではあった。
部長とは本当にいっぱい話し合った……
後輩からも慕われる立場で、期待は裏切られなかった。
負けず嫌いの性格もあり、1stの位置もあまり譲りたくないタイプだった。
今思うと、当時のわたしは常に完璧でいたかったみたいだ……