何も分かってくれない先生や、治りきったと信じてるお母さんや、自分の惨めさや、色んなことにただただイライラした。

そのイライラは更なる過食に繋がった。


毎日3000kcalを超える食事。

お金はいつもピンチ。

ある日は冷蔵庫を空っぽにしたほどだ。


とにかく止めたかった。

これ以上体重を増やしたくなかった。

ネットで過食の治し方を必死に調べるけど、更に過食したくなるばかりだった。


たまたまネットで精神薬のサイトを見ていた時だ。

拒食の時、先生が処方してくれていた薬。ジェイゾロフト

わたしは向精神薬だと飲まされていた。

そこまで気分が良くなる感じはしてなかったけど、飲むって行為が安心させた。

それが、食欲増進の作用があることを、その時ネットで知った。


あぁ、最初から、みんなはわたしを太らせるつもりで。

もう誰も信じれなくなった。



わたし、お母さんが痩せなよって言ったからダイエットして、そしたら拒食症になって、お母さんが食べなよって言ったから食べて、過食症になって……


お母さんがいなければよかったのに


その時は本気で殺そうと思った。

今まで、誰にでも優しいと言われていたわたしだけど、初めて人を殺そうと思った。


あー、これでわたしがお母さんを殺したら、周りからそんな人には見えなかったって言われるんだろうなぁ…

幻滅されるんだぁ…とかずーっと考えていた。


お母さんへの苛立ちはまた、過食の引き金となり、ヒートアップさせた。


とある日のこと、本気で過食をやめたくて、お金がなければ何も買えないということに気づき、お金を使いきった。

所持金がゼロになれば過食は止められると思った。

しかし自分の欲望はそんなものじゃ収まらなかった。


3日目ほどで、過食したくて仕方なくなった。

家にあるものも、食べたらまた親にバレるし、でも食べなきゃいられない。どうすれば……

考えたのは、盗みだった。


お父さんの部屋にこっそり入って、1万円を盗んだ。

それで過食をした。


罪悪感、虚しさ、過食しても満たされない心、色んなものが襲ってきた。


わたし、お金がなきゃだめだ。

このままじゃきっと、万引きする。

盗みはもうしたくない。


アルバイトを始めた。