⑤
とある日のこと、拒食症という言葉を知った。
それまでも聴いた事はあったけど、物理的に、食べたら吐いちゃうみたいな、胃の弱い人のことだと思っていた。
しかし現実は全く違うのだ。
自分に当てはまる項目がいくつかあって、不安になってYahoo知恵袋で質問してみた。
授業中、たまたま質問の返答を読んでいたら、驚きの回答だらけだった。
「もうおかしくなってるよ」
「今すぐ病院にいけ」
「治療すべき」
「普通に生活してる方がおかしい」
何が?何がおかしい?
わたしはただ、痩せたかっただけ、なのになんで病院???
気が狂いそうだった。意味がわからなかった。
自分は正常だと思っていた。
これだけの人に病院行けと言われて苦しくなって、授業を抜け出して保健室へ逃げた。
保健室で泣きわめいた。
先生にも打ち明けた。
先生は優しく、「一緒に治療しよう?」と言ってくれた。
でもわたしは自分が病気だなんて、まだ考えてもいなかった。
当時38kg、そういえばダイエットにゴールを作ってなかったなぁとこの時に気づいた。
でもこれ以上太るわけにもいかなかった。
確か6月頃だったと思う。
学校でちょっとした遠足みたいなものがあった。
外でみんなでバーベキューをした。
わたしは食べる時は常にカロリミットと黒烏龍茶を持っていて、当時のわたしはそれがなければ何も食べれなかったけど周りから見たら多分相当おかしかっただろう。
バレないようにこっそりサプリメントを飲んで、バーベキューを楽しんでいた。
帰り道、一人になった後、まだ食べ足りないなぁ……と思った。
まぁどうせバーベキューで体重増えてるだろうし、お母さんからお小遣い貰ったし、今日くらい自分甘やかしてもいいよね!と思った。
それからコンビニ、カフェ、ファミレス、いくつもハシゴして、今まで調べていた美味しそうなもの、全部買って全部食べた。
お金がなくなって、ICも使い切るまで、すべて食べ物に費やした。
総額確か5000円ほど。
いくら食べても満足しなかった。
気持ち悪くなってきた頃、急に我に返って涙が出てきた。
わたしは何をしてるんだろう。
体重今相当やばい。
なんでこんな事にお金を使ってしまったんだ。
わたしはやっぱり、おかしいのか…
その日の夜、親に相談して、次の日に病院行くことに決まった。
一番近くの精神科にお母さんと相談しに行った。
しかし返事は呆気ないものだった。
「とりあえず食べなきゃ」
「35kgを切ったら入院ね」
「入院したら何も出来なくなるからね、食べなよ?」
「とりあえず体重計はお母さんに没収してもらうね」
当時は、まぁ食べなよって言われるなら、食べるけど……みたいな感じだった。体重計没収は意味わからなかったけど。
お母さんも泣きながら食べて、食べてって言ってて、本当に胸が苦しかった。
食べようって思った。
その時は……だが