でも幸せの中にいると、変化にも気づきにくいものだ。

そう、わたしの根本的なものは何も変わってない。

周りが変化したところで、自分の根本的なものは何も変わらない。

それに気づくのが遅すぎた。

自分の中の自分の知らない所でついていた傷は、気づかないうちに広がってるもので…



それは高校1年生の冬だった。

夕飯がカレーだった。

食べ盛りの高校生。カレーは特に大好物。

特に何も気にせず大盛りおかわりしていたら親に注意された。

「最近食べすぎじゃない?」と。


うーん、言われてみればそうだなぁ。

決して痩せてる方ではないし、むしろ太めか……

体型なんて気にしたことなかったから、そのお母さんの言葉は凄く刺さった。

よし、ダイエットを始めてみようと決心した。

当時55kg。まぁ、普通よりかは太め。


わたしはそれがこの先の人生で一番のターニングポイントになる事を、まだ知らなかった。


ダイエットは順調だった。

意外とハマると抜け出せないタイプで…しかも頑固。

数字が目に見えて減っていくのが単に嬉しかった。

夕飯を抜くことから始まったけど、元から結構太っていたからかそれだけでもかなり落ちていった。


高校2年になる頃。当時体重は50kgほど。

わたしの学校は高2と高3の間はクラス替えがなく、高2の時のクラス分けは卒業にも関わる大事なクラス分けだ。

とてもドキドキしたけど、クラスはとても良かった。

まぁ、うるさそうなクラスではあったけどw


しかし高2のわたしは、あまり自分では変化に気づいてなかったけど、凄く高1の頃と違ったみたいだ。


まず部活が忙しかった。

吹奏楽部で、パートリーダー。そして係を4つほど兼任して。

部活の仕事で追われる毎日だった。

休み時間も譜面と格闘して、演奏する曲を考えたり、楽譜コピーしたり、パンフレット書いたり…

とにかく休み時間は大体席に座っていた。


だからか、物凄く静かな人だと思われていた。

高1で同じクラスだった人からは物凄く心配されたほどだ。

でも考えることが多すぎて、周りに構ってる場合でもなかった。

正直勉強も殆ど手付かず。自分のパートのこと、部活全体のこと、そして自分のこと(主に体型)、頭が常にぐるぐるしていた。


もちろんのこと、部活では結構上の立場ではあった。

部長とは本当にいっぱい話し合った……

後輩からも慕われる立場で、期待は裏切られなかった。

負けず嫌いの性格もあり、1stの位置もあまり譲りたくないタイプだった。



今思うと、当時のわたしは常に完璧でいたかったみたいだ……